研修終了時に渡したいもの(2)

クロトンビルのリーダーシップ研修では、まず研修の開始時に革製のカバーが付いたノートを配布します。カバーに付いているペンホルダーには、中央部分が革で巻かれた特製のボールペンが留められています。ノートは200ページ分ほどありますので、長期にわたる研修のメモを取っても十分余裕があります。

ボールペンにはGEのロゴマークがレーザー加工で、またノートカバーにはクロトンビルの名称とGEのロゴマークがデボス加工でそれぞれ記され、高級感を醸し出しています。このノートとボールペンのセットで、だいたい4,000~5,000円程度です。ニューヨーク・キャンパスでは、このほかにコースごとにブランド物のポロシャツを配布します。袖部分にGEのロゴマークと研修コースの略称が刺繍されています。

国によって付加的に配布する記念品は異なりますが、その国の文化や特徴が出るような物がよく作られます。例えば日本にアジア太平洋地域の幹部を集めた研修では、赤富士が描かれた漆塗りの置き時計を作って記念品としたことがありましたが、大変好評でした。

修了証書には、研修のコース名、日付、参加者の名前、コースを修了した旨の短い文章が書かれますが、忘れてならないのが署名です。スキル系の研修は、トレーナーが自筆でサインします。リーダーシップ研修は、参加者のレベルによって署名する人が異なります。上位コースであればCEOやCLOが署名し、ジュニアからミドルくらいまでの参加者たちの場合は開催国におけるクロトンビルの責任者が署名します。修了証書は、できれば参加者1人1人に対して、署名した人が渡すのが理想的です。参加者が大人数の場合や、署名者が来られない場合は、チーム単位で証書をまとめて渡していました。

チーム内での証書の渡し方も工夫したいものです。まずチーム内で、証書の表面を伏せてランダムに1人ずつ渡します。全員に行き渡ったら、一斉に証書の名前を確認します。偶然自分のものが手元にあったら、隣の人と交換します。トレーナーか事務局の掛け声によって、自分が持っている証書に名前が書かれているチームのメンバーの所へ行き、「おめでとうございます」「お疲れ様でした」と声を掛けながら証書を渡します。

最後に修了証書と共に渡す記念品を別途用意するのもよいでしょう。クロトンビルでは記念メダルを作りました。メダルを贈る人は右の手のひらにメダルを持ち、相手と握手しながらそのメダルを渡すのです。これもなかなか良い思い出になるセレモニーです。

ぜひいろいろと工夫して、研修が経験として記憶に残るよう演出してみてください。

2024年11月21日