MUM効果のMUMは、Mum about Undesirable Messageの頭文字で、「望ましくないメッセージについて沈黙を保つ」という意味です。
人の失敗や弱点についての気まずい情報を伝える際のみならず、消費者として、ある商品やサービスについて不満を抱いた際にも、こうしたことは当てはまります。
人は気まずい情報を伝えるより沈黙することを好むのです。あるいは、厳然たる真実を告げるよりも、優しい嘘をつきたくなるものです。
さまざまな研究によれば、自己認識をしっかりしているリーダーのほうが、そうでないリーダーに比べて成功し昇進しやすいということがわかっています。
しかし問題なのは、組織の中で上位職に就けば就くほど、自己認識をしている可能性が低くなるというのも事実です。
私は企業の役員や幹部候補者を対象とした研修で、「フィードバックはされるものではなく、求めるものである」と教えています。
フィードバックをされた時は、もう遅いのです。MUM効果によって本人にとって不都合なことはたいてい告げられないのに、告げられたということは、相当な事情があるからなのです。
そうならないためにも、自らが周囲の人たちにフィードバックを求めることが肝要です。
そうすれば求められた側の人たちも少しは心理的なバリアが下がり、真実を口にしてくれる可能性が高まります。
現実逃避をしても何も良いことはありません。フィードバックのシステムを導入するだけではなく、日常的に気軽にフィードバックをしあえるような企業文化をつくりたいものです。