研修終了時に渡したいもの(1)

クロトンビルの研修では、すべての研修で修了証書を発行しています。そのうちリーダーシップ研修では、修了証書だけではなく、プロのカメラマンに撮影してもらったクラス全員の集合写真と一緒に証書フォルダーに入れて、記念品と共に最終日に授与します。

証書フォルダーは、左右に開く二つ折り式のもので、右に修了証書、左に集合写真を入れます。私がGEにいたときに参加したリーダーシップ研修の証書は、今でも事務所の書棚に飾ってあります。同じクラスの仲間たちの写真を見るたびに、研修を懐かしく思い出すだけではなく、そのときの学びを実践しているかどうか、自分に問いかける良い機会にもなっています。

スキル系の研修は、証書と記念品を渡します。カメラマンによるクラス全体の集合写真は撮りませんが、多くの場合、最終日には皆のスマートフォンで撮影会が始まります。こうしたことは、私が日本企業で研修をしていたときに行ったことは一度もありませんでした。しかし研修で学んだ証を、修了証書という目に見える形でもらえることはとてもうれしいことであり、かつ身が引き締まるものであるということを、GEに入って経験しました。

私は、修了証書と仲間との写真、そして記念品は、「選ばれし者が果たすべき義務」に対する誓いを立てた証であると思っています。なぜなら選抜研修は、義務教育としての「コスト」ではなく未来に対する「投資」であり、会社が投資してくれた分は、それ以上の「リターン」をしなくてはならないからです。

もう1つ忘れてはならないことは、自分が研修に選ばれたことによって、選ばれなかった人が職場にいるということです。その人のことを思うだけでも、学んだことを真剣に生かしていこうという思いになります。証書と写真を見たとき、また記念品を身に着けたり使ったりするとき、研修での学びを実践で生かし、自己の成長を通じて会社の成長に貢献できるようにするということを、思い起こしてもらうことが大切です。

さてあなたの会社では、研修の最後に修了証書を渡していますでしょうか。集合写真は撮っていますか。事務局の人が自分のスマートフォンで撮って、あとで参加者たちにメールで配信しているのですか。何か気の利いた記念品はあげていますか。ないよりはあったほうがよいという程度の記念品をもらっても、参加者は喜びません。それはご自身が参加者の立場になって考えれば、その記念品をもらってうれしいかどうかすぐわかるはずです。(続く)

2024年11月18日