GEで私が責任者をしていた経営幹部を対象とした2週間連続の研修には、Executive Presenceというモジュールがありました。
まず講義パートで2.5時間、経営幹部としての存在感を身につけるための基本的な知識を中心としたセッションがあります。
そこでは経営幹部としての心構えをはじめ、服装からテーブルマナーまで、内容は多岐にわたります。
講師は、シンガポールでモデル事務所を経営していた女性に頼んでいました。
彼女はイギリス式のテーブルマナーを教えてくれたほか、モデル出身だけあって服装のみならずネクタイの結び目の大きさや眼鏡の形がその人に合っているかといった細かい点まで指摘してくれました。
研修は、ビジネス・カジュアルの服装で参加して良いのですが、このセッションのために参加者には、上下揃いのスーツ、ネクタイ、ワイシャツ、皮底の靴を持ってきてもらいます。
講義パートが終わると、30分の着替え時間を設けます。参加者は、ホテルの自室に戻って、パリッとしたスーツ姿に着替えてきます。
研修会場に横一列に40数人が並びます。「馬子にも衣装」(失礼)とはよく言ったもので、先ほどまでのカジュアルな服装からは想像できないくらい、皆GEのエグゼクティブに変身です(笑)。
カジュアルな服装からネクタイ、スーツ姿になった参加者は、少し緊張の面持ちになります。
なぜなら、これから一人一人、頭のてっぺんからつま先まで、講師のチェックが入るからです。
ある参加者が、ダークスーツに合わせた黒や濃紺の靴下を忘れて、白い靴下をはいていました。するとそれを発見した講師は、ユーモアたっぷりに、「スーツ姿に白いソックスをはくのを許されるのはマイケル・ジャクソンだけだ」と言い、会場は笑いに包まれました。
この個別チェックが終わると、いよいよ実践編に移ります。(続く)