How are you?(2)

ある時、ニューヨークのクロトンビル・キャンパスでアメリカ人の同僚とコーヒーを飲みながら雑談をしていたときに、この苦労話をしました。

私は、「皆、How are you?と挨拶するけれど、本当に相手の機嫌や体調を知りたいのか」と聞きました。

するとその同僚は、「相手が元気かどうかなんて本当は知りたくない」と真面目な顔で言いました。

私は、「そうか儀礼的に相手の機嫌を伺っているのか」と思いましたが、それでも他人が自分に関心を寄せてくれていると思わせることには、人間関係を維持するためには必要なことかもしれないなと思いました。

この文化の違いは、単一民族の国に育った人と、多民族国家に育った人との違いによるものかもしれません。

クロトンビルのキャンパスにあるレストランで朝食を食べていたとき、隣のテーブルからこんな会話が聞こえてきました。

先に席について食事をしていた何人かの研修参加者のところに、一人が加わりました。

同じ研修のクラスメイトなのでしょう。

先に食事をしていた人が後から来た人に「How are you?」と言いましたら、相手が「I don’t know」と返したのです。

すると先に食事をしていた人は「What’s happening? 」と問い返し、しばらく会話が続いていました。

「How are you?」という問いに、単に「I’m fine」と答えれば、会話はそこでいったん終わりますが、「I don’t know」と言われれば、放っておく訳にはいきません。

私は、これはうまい返しだなと思い、あるとき同僚に使ってみました。

するとその同僚は真剣な表情になって、「どうした。何かあったのか」と心配していろいろと聞いてきました。

私は体調も良かったし心配事もなかったので、答えるのに窮してしまいましたが、適当にはぐらかしました。

むやみにI don’t knowは使ってはいけないなと思い、それ以降は封印しました。

2026年05月13日