選抜型の研修は、参加者を「選別」する研修でもあります。
誰を次のステップに向かうタレント・プールに入れ、誰を外すのかという試金石でもあります。
つまり選抜研修は、従業員の単なる育成が目的ではなく、将来その組織を担う人材を見つけ出すという狙いもあるのです。
その趣旨を理解せず、ハードさが足りない選抜研修を望む担当者がいます。
それはすでに選抜研修ではなく、必修研修を順番に受講しているのと変わりなくなってしまいます。
選抜研修には修羅場の経験を採り入れねばなりません。その修羅場の経験によって非連続の成長の引き金とすることが肝心だからです。
そしてその修羅場を乗り越えることができるかどうか。乗り越えられたのならどのように乗り越えたのか。そこからどのような教訓を得たのか。これらを事務局はしっかりと観察しなくてはなりません。
生ぬるい選抜研修をしても、それは単なる時間とお金、労力の無駄遣いに過ぎません。
人の能力は筋肉と同じで、負荷をかけなければ成長しないのです。
研修内容や運営では「厳しくない研修」という参加者のウォンツを満たそうとする一方、運営面では、おいしい食事やフリードリンクといったウォンツは満たそうとしないのも不思議です。
食事は生命維持に最低限必要と思われるような粗食。コーヒーやソフトドリンクの用意もなく、スナック類もない。懇親会の食べ物は乾き物だけ。
とある企業(有名な製薬会社)の懇親会は、参加者から2,000円の会費を徴収して、おつまみや缶ビールの買い出しまでさせていました。これでは参加者がかわいそうです。
その参加者から、「これは本当に選抜研修なのですか」という質問を何度も尋ねられました。
会社で受けたほかの研修と何も変わらない環境や運営では、「選抜された感」を感じられないのは当然ですよね。
選抜研修は、参加者をエンゲージする絶好の機会でもあります。
絶対に辞めてもらいたくない従業員をがっちりと引き留めるための方策のひとつとして選抜研修を位置づけるべきなのです。