ウォンツを優先させてしまうとはどのようなことなのか、いくつか事例を挙げてみましょう。
たとえば研修日数。連続で3日間以上行う研修は、まれです。その理由を担当者に聞きますと、「業務に支障が出てしまう」「参加者の負担が大きい」という声が主にあがります。
できれば1日で、長くても2日間連続というパターンが多いのではないでしょうか。
誰もけがも病気もせず、家族に何事も起こらないことが前提で会社が動いているわけですね、と私は思ってしまいます。
また、支障が出るということは、部下への権限委譲ができていない証拠でもありますし、仕事が属人化しているとも言えます。
長期雇用を前提としている日本企業では、従業員がおいそれとは辞めないと思っているのか、この仕事の属人化が顕著であるように思われます。
こうしたことが組織の意思決定のスピードを遅くしていて、競争優位性を失わせているのではないでしょうか。(続く)
私が働いていたGEクロトンビルのリーダーシップ研修は、短くても連続5日間、経営幹部を対象としたコースは連続3週間でした。
その話をしますと、「そんなに長期に現場を離れて、よく仕事が回りますね」と驚かれます。
本人が部下たちに権限委譲しているし、職場の上司や同僚、部下たちのサポートがあるので、問題なく仕事は回ります。
逆に言えば、5日間の研修に参加して仕事が回らなくなるような人は、選抜されないわけです。(続く)