今日の複雑な経営環境や個人の価値観の多様化、IT技術の高度化といったような要因を考えますと、人材開発担当者として身につけるべきコンピテンシーは、80年代のそれよりももっと高度でかつ広範囲なものになっています。
ちなみにアメリカの人材開発に関する団体であるATD(The Association for Talent Development)によれば、人材開発担当者としての基盤となるコンピテンシーは、①Business
skills、②Global mindset、③Industry knowledge、④Interpersonal skills、⑤Personal
skills、⑥Technology literacyの6つとなっています。そしてこの基盤の上に次の10の専門性が特定されています。
① Performance improvement、②Instructional design、③Training delivery、④Learning
technology、⑤Evaluating learning impact、⑥Managing learning programs、⑦Integrated
talent management、⑧Coaching、⑨Knowledge management、⑩Change management
人材開発担当者として学ばなければならない知識や身につけるべきスキルは山ほどあります。言うまでもなく、学んだり身につけたりするだけでは不十分で、それらを効果的に実践の中で発揮できるようにしなくてはならないのです。
さらに言えば、拙著『クロトンビル』で述べたように、単に研修を行うことができるというDoableでは不十分で、参加者に気付きや学びをもたらすDeliverableができるようになることが求められます。
小手先のテクニックばかりに気を取られてはいけません。急がば回れです。まずはしっかりとした土台を築きましょう。