先日の研修先企業で、とても熱心な研修担当者の方がいました。
まだ研修部門に異動してきたばかりということでしたが、チーム討議の時間になると前方の講師席にやってきて、いろいろな質問をしてくれました。
私の場合、チーム討議の間に参加者たちの様子を観察することはもちろん、その後のセッションをどのくらいの時間で調整すべきか、参加者の理解度に合わせてどの程度詳細に話をするかとか、どの事例を紹介しようかなどと、実はいろいろなことを頭の中で考えているので、あまり話しかけてほしくはないのですが(汗)、矢継ぎ早にされた質問には回答しました。
しかしその質問のほとんどがHOWに関わるテクニカルなものだったのが少し残念でした。
一生懸命質問して疲れてしまったのか、その熱心な研修担当者は後方の事務局席で、その後居眠りをしていたのはナイショにしておきます(笑)
また3年程度で異動して、研修とは関係のない部門で働くという実情があるにしても、せっかく研修部門にいるのであれば、HOWより大切な人材開発担当者としての基本的なコンピテンシーを身に付けることが必要なのではないかと思います。
人材開発、とくに研修の仕事なんて誰でもできるものだろうという固定観念が、日本企業には根強く残っていると思います。
それこそコンテンツや運営はベンダーに丸投げして、事務局は食事や会場の手配と参加者アンケートをまとめるだけ。中にはそうしたことまでベンダーに丸投げしている会社もたくさんあります。こうしたことなら誰でもできると思われても仕方ないですよね。
そうしたことを続けていては、企業の競争力の源泉である人材の育成がおろそかになり、ますます国際競争力を下げてしまうことになりかねないと思います。(続く)