就活に臨む学生たちは、自分が成長できるような会社に勤めたいと意気込みを語りますが、いざ社会人になって数年経つと、その意気込みがどこかに行ってしまうのが常です。
終身雇用の幻想の中に漂いながら、企業の言いなりになって自分の人生を委ねている人がまだ大半なのではないでしょうか。
自己のキャリアを自律的に考えて切り開こうという気概を持っている人は実際にどの程度いるのでしょうか?
最近行われた意識調査でも、50%程度が年功序列に賛成という有様です。
自己のキャリアを切り開き、築き上げる主人公であり、そしてその責任者は本人ですよね。
GEでキャリアのセッションを教えていた時には、ジャック・ウェルチの
「Control your destiny, or someone else will.」という言葉を紹介していました。
自己のキャリア開発に能動的に向き合っている人は、当然、そのために必要な自己研鑽に取り組みます。そうなれば自己の成長に無頓着でいられるはずがありません。
そうした人たちが集まっている会社では、研修という自己成長の機会に対する態度が、そうでない人々が集まっている会社とはまったく異なります。
研修というものに対する従業員の意識を変えるためには、まずは人材開発に携わる人々の意識改革が必要ではないかと考えています。
企業で人材開発を担当する皆さんが、人材開発という仕事の素晴らしさを実感し、能動的に取り組んでもらえるようにするにはどうしたらよいのか、ということをよく考えるようになりました。
担当者個人の問題もあるかもしれませんが、その根本は、会社すなわち経営トップが、人材開発に対してどの程度コミットしているかにかかっているのではないかと考えています。
GEではジャック・ウェルチも後継者のジェフ・イメルトも、勤務時間の3分の1以上を人材開発のために使っていました。
皆さんの会社のCEOは、どのくらいの時間を人材開発に投入しているでしょうか