させていただきます

いつ頃からでしょうか、「・・・させていただきます」というフレーズが多用されるようになりました。芸能人が、「結婚させていただきましたことをご報告させていただきます」などというコメントを発表すると、訂正してあげたくなります。

あるときラジオを聞いていましたら、この「させていただきます問題」が取り上げられていました。私の関心事でもありましたが、いつ頃からこの「させていただきます」が多用されるようになったのかについても語られていました。

その人は国会の記録を調べたということでしたが、2009年から民主党政権になったのを機に、国会での発言に「させていただきます」が増えたとのことでした。

バブル経済が崩壊し、その後も景気低迷が続くという世情の中で、人々の心を反映してか、本来「いたします」と言うべきところを「させていただきます」と、へりくだりすぎた言い方が広く浸透したのでしょうか。

文化庁の敬語の指針の中では、「自分側が行うことを、ア)相手側または第三者の許可を受けて行い、イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われる」とあります。

この指針に従えば、上述した芸能人が結婚することも、報告することも、「させていただく」ことには該当しませんよね。

2025年05月25日