熱いおしぼり

あるテレビCMで、客室乗務員役の女優さんが熱いおしぼりを配っている場面が映ります。コロナ禍では熱いおしぼりがなくなり、代わりに除菌シートが配られ、コロナ禍が明けると冷たい使い捨ての紙おしぼりが配られるようになりました。

GEで働いていたときには、毎年地球を3-4周するくらいいろいろな国に行って教えていました。帰国の便で席につき、熱いおしぼりが配られると、顔や手を拭きながら「ああ、日本に帰るんだな」と、(熱いおしぼりだけに)「ホッと」しながら頭が切り替わった感じがしたものです。

はるか昔の話ですが、そのテレビのCMを見ていてふと思い出した話があります。これは実際にあった話だそうです。新人の客室乗務員が、乗客に「おしぼりでございます」と1人ずつ声をかけながらおしぼりを配っていました。日頃使い慣れない言葉ですから、何回か繰り返している内に、どういうわけか「おしぼりでござる」と言ってしまったそうです(笑)。すると、そのおしぼりを受け取った乗客が、とっさに「かたじけない」と言ったとか(爆)。

嘘のような本当の話だそうで、「かたじけない」と返した乗客のユーモアのセンスに脱帽です。この話を聞いてから、私は客室乗務員が「おしぼりでござる」と言ってこないかなと密かに期待していたのですが、未だに「かたじけない」と返す機会はやってきません。

2025年03月03日