関係者と情報共有しておこうという考えによって、メールのcc欄に上司や同僚を入れる場合があります。ただしその「情報共有」が、本当に必要なのかどうかは考えてみる必要があります。報告漏れを指摘されて、後で上司から叱責されないようにするために何でもかんでもccにしてしまう人もいます。
私のクライアント企業の担当者でも、やたらとccに大人数を入れる人たちがいます。そうした会社は、こちらからの提案や問い合わせに対する反応速度がとても遅いという共通点があります。一概にはその理由を決めつけられませんが、ほとんどの場合、権限委譲ができていない会社であることは間違いありません。
担当者レベルで決められるようなことでもいちいち会議を開いて、その結果を伝えてくるものですから、こちらが忘れた頃に回答の連絡が来ます。連絡をもらった頃には、何のことだったか忘れかけてしまうこともしばしば。
あるクライアントの担当者が送ってきたメールに、間違いがあったことがあります。単純な間違いなのですが、決定的なことでもありました。ccには例によって大人数が入っています。私は試しに数日間、その返信を待ちました。通常は24時間以内に返信をしますが、そのときは、先方から訂正メールが来るのを待った訳です。
ccに入っている人たちが、そのメールを本当に読んでいれば、送信者である担当者に対して、すぐに訂正メールを出すよう言うはずです。しかし何の音沙汰もありませんでした。
あるときは、担当者のメールに書かれた署名欄に決定的なミスがありました。その会社でもccには大量の人たちがインプットされます。同じ部内の人は、知っていて誰も指摘しなかったのか、見過ごしていたのか、はたまた最初から読むことがなかったのか。
その組織における権限委譲の度合いをccの人数などで推し量ってみると、面白い発見があるかもしれませんので、試してみてください。