トレーナーとインストラクターの違い

そんな細かいことにこだわらなくてもよいではないかと言われそうですが、私の考えとしてトレーナーとインストラクターは明確に違うということをいつも言っています。それぞれの語源から考えてみても明らかにその意味が異なります。

トレーナーはTrainですから列車です。A地点からB地点への移動がその役割になります。従ってトレーナーとして求められる役割は、その研修プログラムで参加者に対して実施すべきコンテンツを「行うことができる」(Doable)、つまり参加者を列車のごとく引っ張って履修してもらうということになります。

一方インストラクターの語源は、インがInside、ストラクトがBuild upですから、参加者に研修を実施することによって参加者の心や頭の中に何かを「築き上げてもたらす」(Deliverable)ことがその役割となります。

私は過去30年間、多くの優れた講師(トレーナーとインストラクター)たちを見てきました。
そして両者を分けるとしたら、トレーナーはDoableであり、インストラクターはDeliverableであるということに、GEにいたとき気付きました。

そして私の頭の中にはDoableとDeliverableとの間にどのような関係があるのか、どのような方程式によって両者は関係づけられるのだろうかということが2-3年住み続けました。

Deliverable=Doable×〇(何か)ではないかということは推測がつきましたが、肝心の〇(何か)が分かりませんでした。しかし私がGEの幹部研修に受講者として参加した際、その何かがEnjoyableであることを発見しました。

講師として参加者を楽しませることに注力するだけでは不十分です。そもそも自分が楽しめていないと参加者も楽しめません。当たり前といえば当たり前なのですが、研修で人前に立つことを心の底から楽しんでいる講師がどのくらいいるでしょうか?

2024年07月23日