研修事務局の役割を考える(2)

GEに入るまでは、いわゆる研修の主役は講師であると思っていました。事務局は講師や参加者のサポート役として存在するものであるという考えです。しかし自分で講師も事務局も務めるとなりますと、どういう立ち位置で振る舞うべきなのか、なにせそうした経験がそれまでなかったため戸惑いました。

GEに入る前にも研修講師は務めていましたが、そこには事務局がいて、自分は全体の進行役を務めることはありませんでした。GEでは、アシスタントたちがロジスティクス関連の業務は行ってくれましたが、研修の運営と講師は自分で務めることになります。

GEでは、個別の研修を統括するプログラム・マネジャーというポジションがあります。このプログラム・マネジャーが研修のコンテンツや講師、運営などすべてについて権限と責任を持つことになります。講師として外部のコンサルタントに依頼するのか、自分で務めるのか、GEの従業員で講師資格を持つ者に依頼するのかなど、自分で決めます。

私はアジア太平洋地域の幹部育成プログラムのプログラム・マネジャーとしてGEに入りましたので、自分で教えるかどうかは自分で決めることができました。私が担当した幹部育成プログラムは、2週間連続の研修でした。開催する国は、1週目と2週目で違う国にしなくてはなりません。

アジア太平洋地域を中心に、中東、ヨーロッパ、アメリカから経営幹部が、毎回約40人集まりました。2週間のプログラムのコンテンツは、外部の著名なゲストを迎えたり、GEの経営陣のスピーチがあったりと、多彩なものでした。私が1人で教えるセッションも多くありましたので、時には講師、時には事務局と、その役割を変える必要があると考えていました。

しかしその考えは、間違っていたようでした。
(続く)

2024年09月09日