研修事務局の役割を考える(1)

過去40年間、いろいろな企業の研修をしてきましたが、研修事務局のスタッフの役割について、その企業ごとに特徴があってとても興味深く思います。

私自身、新卒で入った組織で公開セミナーの部署に配属されましたので、研修事務局の仕事がキャリアのスタートでした。当時は、パソコンもなく、参加者リストは手書きで作成していました。当然、個人情報という概念もなかったので、参加者リストを作って参加者に配布していたのですが、その過程で丁寧な字を書くという修行ができました。

コピー機にはソーティング機能がなく、それぞれのページを大量にコピーして、事務所のキャビネットの上に紙の山を並べ、それぞれの山から1枚ずつ紙を取り上げてテキストを作成していました。これらの作業に加えて参加者や講師の弁当やお茶の手配をしたりするのが事務局業務の初期段階でした。

少し慣れてくると、自分でセミナーを企画して、講師を探し、パンフレットを作って集客するということが業務に追加されます。また、セミナーの現場においても、進行役を務めることや講師の接遇も行うことになります。

その後約20年の間、事務局は裏方で、こうした研修の企画とロジスティクス業務、当日の運営などが主たる役割であると、何の疑念も持たずに過ごしました。

しかし、GEに入ってその考え方が変わりました。事務局でありながら講師を務めることが求められたからです。
(続く)

2024年09月06日