研修の目的を時間軸で考える(事後編)

研修そのものが終了したら、それで解散という企業が多いのではないでしょうか。最後に修了式は行っていますか。修了証書と記念品の授与は最低限行ってほしいところです。こうしたこともキュレーションの一環です。修了証書は単に紙一枚ですか。観音開きのフォルダーに、証書とともにクラスの集合写真を入れていますか。

終わりよければすべてよし、という言葉があります。研修の最後をどのように演出するかは、とても大切です。キュレーションができている企業では、研修中の参加者たちの様子を写真やビデオで撮影し、それを音楽とともに編集して修了式で上映しています。こうしたことは忘れることのできない経験となり、証書や記念品とともに参加者をエンゲージすることになります。

もちろん研修の中身自体が参加者にインパクトを与えて、強くエンゲージする工夫も必要です。そして参加者に対して最もインパクトをもたらす要因のひとつとして、研修をともに学んだ仲間たちとの絆を忘れてはいけません。

研修の事後フェーズにおいて、この仲間たちとの絆を生かした継続学習が大切なポイントになります。たとえば研修の最後につきものである「行動計画書」。多くの企業では、書いて発表して終わり、ということになっていませんか。学んだことや気づいたことを職場で実践するようなフォローアップはできていますか。

同窓会を結成して定期的に学びをアップデートしたり、参加者を二人一組にしてお互いの行動計画の実践度合いを確かめ合ったり、いろいろな工夫が考えられます。また、研修について事前に直属の上司との面談を行う場合、当然、事後の報告の場を設けることも肝心です。

部下の学びや成長について無頓着、無責任な管理職がいることを許してはいけません。上司のコミットメントやサポートを得るためにも、そしてその行為を通じて管理職を成長させるためにも、事前・事後の面談やコーチングは必須です。

2024年09月03日