研修の目的を時間軸で考える(最中編)

研修の最中については、本1冊分くらいの留意事項がありますので、拙著『クロトンビル』をご参照ください。とは言いつつ、日本企業における研修でとても大切なことなのに、なかなかできていないポイントだけお伝えします。

それはキュレーションという考え方です。前回述べましたが、研修を修行のように考えていると、キュレーションという考え方は出てきません。キュレーションという言葉は、近年、日本でも使われるようになってきましたが、研修におけるキュレーションは、おもてなしの演出と考えてもらえばよいと思います。

研修参加者をもてなす必要などない、と考えてしまうと、ギャラップ社のエンゲージメント調査で明らかなように、日本企業は従業員の5%しかエンゲージすることができず、優秀な人材の流出が加速してしまいます。

決して研修参加者を甘やかせと言っているわけではありません。せめて日常生活レベルと同等か、それ以上の衣食住環境を研修で提供してあげてください。こちらも贅沢を言っているわけではありませんが、大企業の研修施設に宿泊する場合でも、驚くほど貧相な食事や幽霊が出そうな宿泊室に遭遇することがあります。

研修をコストとして捉えるのではなく、投資として捉えるようにしてキュレーションを行わないと、せっかくの研修の場が従業員のやる気を損なう場になってしまいます。

2024年08月30日