グローバル企業とは

GEでグローバル・マインドセット(グローバル対応の心構え)のセッションでは、「文化」には3つあると教えていました。それは国、会社、個人の3つであり、ある会社で働く1人の従業員はこの3つの要素の掛け算の結果としての文化を持っているという理論です。

つまり同じGEという会社で働いていても、国と個人の生育歴が異なれば、結果として異なる文化を持つことになります。強烈な組織文化が必要なのだから、国の文化や個人のことは捨てておいて、会社の文化だけに従えと言っても、そもそも無理な話です。

グローバル企業とは、「そこにある会社」のことを意味します。インドにあるGEならある程度はインド独特の文化を背負うことになります。それは日本にあるGEとは異なる姿になります。

ですがそれでよいのです。インドのカレーと日本のカレーは違います。ですが大きなくくりで言えばカレーになります。これが本当の「くくりカレー」(笑)。日本食がブームになる前に海外で食べた「寿司」なるものに驚いた人も多いことでしょう。アメリカが作ったゴジラの映画を見て、なんだあのゴジラはと憤慨したものです。

ですがそうしたことにいちいち目くじらを立てても始まりません。GEで働いていたときにぐちゃぐちゃの英語をアメリカ人に話しても、なんだおまえの英語はと叱られませんでした。

グローバル化とローカライゼーションの問題は、程度の問題なのかあるいは質的な問題なのか。
日本企業の国際化は進んでもグローバル化が進まないのは、このグローカライゼーションの本質を見抜けていないことが原因のような気がします。

2024年05月30日