人事異動や中途採用で、私の研修窓口になる新任の研修担当者の人たちの中で、同じようなミスや勘違いをする人たちがいます。
その人が、以前に研修担当の仕事をしたことが無い場合に顕著なのは仕方ないことかもしれません。
私はそうした人たちが、前任者からロジスティクス関連の引き継ぎをしていたとしても、抜け漏れがある場合が多いことを経験的にわかっていますので、詳細なロジスティクスの依頼書を渡すようにしています。
さて、研修当日に会場に行きますと、準備万端のはずが、想定外のことになっていることがよくあります。
その想定外の会場設定や備品類は、事前にこちらに知らせてもらえれば、その前提でこちらも対処するのですが、何も言ってこないことがあります。
何も言ってこないということは、私がリクエストした設定や備品類が揃っているものと考えていますから、当日になって対処するのに苦労することがあります。
新任の研修担当者は、自分で講師を務めた経験がないのでしょうから、私のリクエスト通りでなくとも問題ないだろうと考えているのかもしれません。
「細部に神は宿る」という言葉があるように、こちらとしては細かい部分も含めて研修をデザインしています。
そしてそのデザインは、会場の設定や備品類が完璧に揃ってこそ、その効果を発揮します。
研修ひとつひとつを丁寧に運営するのではなく、単に研修を「こなして」いると、ロジスティクスを軽んじてしまいがちです。
私が新卒で社会人になったときから3年間ほどは、研修のロジスティクスが主たる仕事でしたので、その大切さや大変さは身にしみています。
しかし、課長クラスで異動してきた人が研修の窓口になりますと、このロジ面の経験がないわけです。また実際に研修準備においてはロジ面の作業は部下が行うことになりますから、どうしても関心が低くなります。
こちらからの依頼を軽視されますと、どうしても抜け漏れが発生して、不十分な準備のまま研修当日を迎えるという事態を招くことになるわけです。(続く)