会社に自分のキャリアを任せてしまっている人が多い日本企業では、定年後に仕事がなくなったり、不本意な仕事をせざるを得なかったりする人が多いのが現実です。
それは山頂からいきなり急峻な崖を転げ落ちるような姿にも見えます。
大企業の部長職を務めた人が、本社の役員レースに敗れ、グループ会社の役員として転出するということがあります。
本人の希望通りのグループ会社に行けないケースも多く、不本意ながらどこかの会社の役員になります。
受け入れる側のグループ会社も、大迷惑。それはあたかも山頂から落ちてきた岩が、他の登山者にぶつかってけがをさせてしまっているようにも思えました。
ある会社の話です。この迷惑役員たちをどうにかしてほしいというリクエストが多くのグループ会社から本社に寄せられました。
その会社(本社)から私に、転出する人たちが迷惑な役員にならないような研修をしてほしいというリクエストがありました。それも年に一回、たった5時間の研修です。
そんな魔法のような研修ができるのなら、私はとっくの昔に億万長者になっていたことでしょう。
一応、できる限りのことはしましたが、実際は後の祭りでした。3年間、研修をしましたが時間の無駄だとわかりましたので、それ以降はお断りしました。