飲食店のブランディングのポイントは大きく3つあると言われています。それは、ストアブランディング、プロダクトブランディング、そしてエンターテインメントブランディングです。私はこのことを知ったとき、研修に必要なブランディングに似ているなと思いました。
1点目のストアブランディングは、飲食店の建物に価値を持たせるというブランディングです。高級なレストランなど、その空間に居るだけで価値を感じるような建物であれば、それだけでも客を呼ぶことができます。
2点目のプロダクトブランディングは、商品そのものに価値を持たせるブランディングです。最高級の食材を使用する、ご当地グルメを提供する、オーガニックにこだわるなど、特徴的な商品やコンセプトを打ち出しているお店があります。
3点目のエンターテインメントブランディングは、店主や店員さんたちによるパフォーマンス型の飲食店にすることで価値を持たせようというものです。お店で働く人たちが魅力的であったり、料理の提供方法がとてもユニークであったり、客を楽しませる工夫がそこかしこになされています。
この3つのポイントを研修に置き換えてみれば、研修のブランディングに役立てることができるのではないでしょうか。1点目については、研修を行う施設や環境への配慮。自社ビルの無機質な会議室で行うような研修に参加して、エンゲージメントは高まるでしょうか。会社からは選抜研修だと言われているが本当だろうかと、参加者は疑念を抱かないでしょうか。
2点目は、研修のコンテンツに関するポイントです。昔から「Content is king」と言われているように、最高のコンテンツを用意しなくてはなりません。何でもかんでも詰め込んで、一見勉強になりそうなのですが、結局何を学んだのかわからなくなってしまう「幕の内弁当」型研修というものがよく見られますので注意が必要です。
3点目は、講師の選択や事務局としての研修運営のヒントになります。講師の教え方やキャラクターと研修の目的やコンテンツとの整合性を考えることが大切です。そして事務局としては、日本企業ではほとんど無視されている「キュレーション」を考える良いヒントになると思います。