たとえ部分的に研修を外注することになっても、その会社の人材開発を担う者として
必ず内製しなくてはならない部分があります。
それは、経営戦略と連動した人事戦略から落とし込んだ ①人材戦略を立案すること。
そこから導かれる ②求められる人材像の設定およびその人材像と現状の人材のギャップの抽出。
そのギャップを埋めるための ③研修体系の構築。
そしてその体系の中身としての ④各研修コースのコンセプトづくり。
そのコンセプトを具現化する ⑤コースのアジェンダづくりや骨格決め。
せめてこれらの5つは実務家として自力で行うべきです。ところが当然ながら多くの会社では、こうしたことはすでに検討済みですから、すでにできあがったものがあります。見直検討ししたり、変更実施したりすることは大変な手間です。
すると「前年同様で行こう」ということになって、各研修コース内ではマイナーな改定があっても、人材開発部門のミッションの見直しやコースのスクラップ
&ビルドといった、高い視点からの改革が行われにくいということになります。
すると研修が、時代や環境の変化による人材ニーズの変化に対応することなく、粛々と「間違った方向に正しく進む」という現象を引き起こします。
大企業では、上記の①から⑤の作業をコンサルティング会社に依頼するケースが多くあります。するとだいたいコンピテンシー調査をしましょうということになります。膨大な費用と時間がかかるという難点に加え、コンピテンシーモデルができあがった頃には環境が変化してしまって使い物にならないということもよくあります。
では一体どうしたらよいのでしょうか。