Right time, Right person (2)

設立準備委員会の委員の1人が、日本IBMの人事担当役員の小島さんでした。彼も、過去にこうした協会の設立の動きを知っていたのですが、うまくいかなかったことも当然知っていて、今度はうまくいくようにと大いにバックアップしていただきました。

本国のアメリカから全世界のIBMの人事責任者が来日した際には、小島さんが私に声をかけてくれて3人で会食をしました。そのときに、本国の人事責任者が小島さんに向かって、私を評して「Right time, Right person」と言ってくれたのです。私はうれしさよりも気恥ずかしさが上回り、お礼を述べることもできませんでした。

以来約20年以上、この言葉は私の胸に深く刻み込まれ、自分の行動に対する少しばかりの自信と、大いなる勇気の裏付けとなりました。この「Right time, Right person」という言葉の持つ意味を、GEに入って以来、そして独立後も、選抜研修をしているときに実感します。

適切なタイミングで適切な人が研修を受けることができるようにすることが、選抜研修では大きなポイントになります。必修研修では、例えば階層別研修であれば、新入社員、初任管理職等々、決まったタイミングがあり、その研修には決まった人々が自動的に参加しますから、あまり「Right time, Right person」については意識されないのではないでしょうか。

しかし選抜研修においては、「Right time, Right person」という考え方は重要です。キャリアステージのどの段階で選抜研修を行うのか。誰を選ぶのか。これを間違えると研修に参加した本人にとっても効果があまりありませんし、会社にとっても無駄な投資になってしまいかねません。

2025年04月09日