GEではアメリカ人の同僚に限らず、世界中にクロトンビルの同僚がいましたが、自分が知らないことは「I don’t know」と返してきました。以降、私も知らないことは知らないと素直に言えるようになりました。ただし、研修においては、「知りません」と参加者からの質問に返すだけでは良くありませんから、自分なりの仮説や推測などを付け加えるようにしています。
部下から相談を受けた際に、変なプライドが邪魔をして、「自分ではわからない」とか「知らない」と言えずに、間違った指示を出したり、部下の提案を丸呑みしてしまったりといったことはないでしょうか。
結果的に、その案件の関係者と何回もやり取りをしなくてはならなくなりますので、時間がかかり、組織のスピードが遅くなって競争に負けてしまうわけです。私から反論のようなアドバイスをもらったクライアントは、「では、いったん持ち帰らせていただき、社内で検討いたします」というのが決まり文句です。
実に簡単な意思決定で決まるようなことでも、上司や関係するスタッフたちの時間を合わせて会議ができるのが2-3週間先だったりして、こちらが忘れた頃にメールが来るというのが常です。本当に些細なことでもいちいち上司が意思決定を求められるような組織は、当然ながら権限委譲など進んでいません。自分では意思決定の責任を取りたくないという責任分散システムがフルに機能していて、上へ上へと意思決定を先送り(上送り?)するわけです。
自分に自信がない人は、「I don’t know」とは言えないですよね。自信がないから虚勢を張ってしまい、問題がややこしくなってしまうということになります。わからないならわからないと素直に認めて、その道の専門家のアドバイスに従うのが、よりよい解決策なのではないでしょうか。ソクラテスの「無知の知」の精神を、愚直に実践していきたいものです。