ある大手IT企業から研修の依頼があり、話を聞いてみますと課長に昇進した人たちに対する必修研修としてリーダーシップ研修をしてほしいとのことでした。必修研修をすることについては気が進まなかったのですが、その研修の担当者は、私がGEにいたときからの知り合いでしたので、話を聞いてみることにしました。
その担当者いわく、それまでその研修の講師をしてきた外部のコンサルタントから、研修を断られてしまったとのこと。何とその理由は、同社の研修参加者の態度が悪いため、というものでした。
内心、「そのピンチヒッターかよ」と思いましたが、「この研修を頼めるのは田口さんしかいません」というお世辞に乗せられ、引き受けることにしました。同時に、コンサルタントが逃げ出すような参加者とはどういう人たちなのか、私は大変興味をそそられたのも事実です。GEクロトンビルの同僚から、「Thrill
Seaker」という異名をもらったくらいですので、好奇心だけは旺盛です。
数カ月後、その研修がスタートしましたが、初日から驚きの連続でした。朝、参加者たちが三々五々会場に入ってきます。自分がどの席に座るのか確認し、島形式にセッティングされたテーブルに向かいます。席に着くと即座にパソコンを開いてメールチェック。この光景は他者でもよく見られます。驚いたのはその後の光景です。同じチームの席に、他のメンバーが着席しても、先に来ている人も後から来た人も挨拶をしないのです。後から来た人も着席すると即座にパソコンとにらめっこです。この光景が会場の至る所で見受けられました。
(続く)