2014年にGEを退職して独立、TLCOを設立して活動をしてきました。
GEではクロトンビルというリーダー育成の組織で7年半働き、幅広くそして深くリーダーシップについて学び、そして世界各地で教えてきました。そしてその学び得たことを日本の企業に普及したいという思いで会社を設立し、おかげさまで10年という長い年月にわたり活動を続けることができました。

途中、コロナ禍によって企業研修はオンラインへの移行が進みました。しかし私たち人間の脳は、オンライン用にできていません。単なる知識の付与や、新しい制度等の周知程度のことであれば、オンラインでもよいかもしれません。

しかし、参加者のマインドセットを変え、それによって行動を変えるようなインパクトが求められる研修や、研修参加メンバーたちをエンゲージすることが目的に含まれる選抜研修などは、オンラインでの実施はほとんど不可能です。独立して以降、私が提供してきた研修は、そのほとんどが選抜研修でしたので、オンラインには適しません。コロナ禍の広がりにつれて、果たしてクライアントから研修の要望は来るのだろうかと、とても不安になったのを覚えています。

結果は杞憂に終わりました。多くのクライアントは、私の研修以外はすべてオンラインに切り替えたものの、私の研修だけは集合研修の形式を維持してくださいました。アクリルボードや空気清浄機、マスク、除菌アルコール等々、感染予防に万全を期した環境を整えていただき、そのご苦労に対して感謝してもしきれません。

生活のために研修やコンサルティングを生業とするのであれば、オンラインでの研修実施というクライアントからの要望に対して、素直に応じるのが正解でしょう。しかし選抜研修に限りませんが、オンラインではその効果が期待できないにもかかわらず、生活のためにオンライン研修をするとしたら、それはクライアントに対する裏切りにならないかと懸念されました。そのため、一部のクライアントからオンラインで従来の研修をしてほしいという要望についてはすべてお断りしました。

単に個別の研修にとどまらず人材開発の真の意義や目的、そしてそれらを達成するために適切な手段について正しく理解して実行している企業だけをクライアントとして、コロナ禍が落ち着きを見せた今、心機一転、新たに会社を設立して「本物のリーダーシップ開発」のために、残りのキャリアを全うしようと考えました。

社名のALDIは、Authentic Leadership Development Instituteの頭文字です。
借り物ではない、そして混じり気のない、自分らしさを生かした本物のリーダーシップとは何か。
これからもクライアントと共に追究して行きたいと思います。